喩え話

比喩表現に正解は無いが、正解相応なものはある。
例えば猛暑の中で言う、
「今日は地獄のような暑さだ。」
みたいな。

その人にとって"地獄のような暑さ"は現実であり、もし「 」の中が穴埋め問題ならその人の答えはいわゆる正解である。
しかし他の人にとっては"地獄"という言葉に収まりきれない暑さかもしれないし、もしくは"地獄"というほどではないかもしれない。
感性は人それぞれなので、正解という枠はあってもその中に入る言葉の基準は無いようなもの。
だからさっきの例えは、厳密に言えば正解相応というのが正しいと私は考える。


そんな正解相応の例えというのは、さらに比喩で話を繋げられる。
例えば前述した内容から、
「そうだなあ、CoCo壱のカレーで例えたら7辛はあるよなあ」
と続けたら、あなたはどう答えるだろうか。

CoCo壱のカレーにおける辛さの基準が分かる人なら、人にもよるというのが一発で分かるはずだ。
「いや、今日みたいな夏日は滅多に無いから8辛と言ってもいいね。これは下手したら10辛もありうる。」
という人もいるだろうし、
「7辛以上は死人出るだろww せいぜい5辛じゃね?」
という人もいるだろう。
これは実際に食べてみないと分からない感覚でもあり、辛いのが苦手な人からしたら5辛ですら猛暑かもしれないのだ。

そして基準が分からない人には、まず何段階あるのか、そしてそれがどのような辛さなのかを問うだろう。
ちなみに10段階あるので、数字だけ見てもそれなりであることはお分かりいただけるかと思われる。
そんな感じでちょっとした例え話からCoCo壱のカレーを食べに行くというのも真夏の醍醐味ではないだろうか。


とまあこんな感じで、比喩表現には新しい視点を見出す可能性を秘めている。
お互い細かい点で微妙にずれてくる感覚を照らし合わせるだけでも、話題というのは結構広がるものなのだ。
正解は無いし、ちょっとぐらいズレていてもいいから、不正解にならない程度に使ってみると何か見えてくるかもしれない。
ちなみに私はCoCo壱に行ったことがないのであしからず。